適材適所

良工の材を用うるは、その木を屈せずして厦(か)を構う。聖君(せいくん)の人を使うは、その性を奪わずして所を得しむ。
弘法大師「 性霊集」

良き工人や匠は、木の曲直にしたがい、材質を損なわずに向き不向きを見極めて大きな家を造り上げるといいます。
聖人や君子も人を採用するにあたって、同様にその人の性格や能力を見抜いて、その人に合った地位や仕事を得させるものです。

適材適所という言葉がありますが、材木にも曲がりやすい木、素直な木、硬くて丈夫な木、柔らかい木など、割れやすい繊細な木 水に強い弱いなど色々と性質があり、建築にあたり向き不向きがあります。

人においてもその人の性質や個性を損なわずに、人材を適所に配置し、その人に合った仕事を与えることで、その能力を活かしていく大切さをお教えくださっています。

船橋市 真言宗 石動山 明王院

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