彼岸会

まもなくお彼岸を迎えます。
お彼岸は、正式には「彼岸会(ひがんえ)」という仏教の尊い行事で、年2回、昼と夜の長さが同じになる「春分の日」と「秋分の日」の前後3日間を含めた1週間を期間と致します。昼と夜の長さが等しいことを、お釈迦さまの教えで苦と楽のどちらにも偏らない「中道」に譬え、彼岸会の期間でお釈迦さまの教えを実践する意味もあります。また太陽が大体真西に沈みその位置が正確に分かるので、西方極楽浄土の教主阿弥陀如来を拝し、極楽往生を願うに相応しい日ともいわれております。

彼岸とは、正しくは「到彼岸(とうひがん)」といい、古代インドのことば、サンスクリット語の「パーラミター(波羅蜜多はらみた)」を訳した言葉です。彼岸は彼の岸である悟りの世界を意味し、「此岸(しがん)」は此の岸である迷いや苦悩に満ちたこちら側の現世を意味します。ですから到彼岸とは、此岸から煩悩の大海を渡って向こう岸である悟りに到ることを象徴した言葉です。
弘法大師は、
「溺海を超越して、宝岸にのぼり攀(よ)じん」
生死に迷う海を越えて仏の岸に到る。性霊集
と説かれております。

此岸から彼岸へ渡る船にたとえられるものが六波羅蜜の教えです。

「布施(ふせ)= 物質的なものだけに限らず、
精神的なものを含め、他へ施しをすること」
「持戒(じかい)=道徳や決まりを守ること」
「忍辱(にんにく)=耐え忍ぶこと」
「精進(しょうじん)=弛まず精進努力を積むこと」
「禅定(ぜんじょう)=自分の心を見つめ安定させること」
「智慧(ちえ)=物事を正しく判断する智慧の力を磨くこと」

以上を実践することをいいます。「言うは易く行うは難し」ということわざがあるように、実行するのは、なかなか難しいと思います。一日一つの教えでも心がけて生活を送ることが出来たら、普段とは違った素晴らしい充実した日になるかもしれません。

忙しい日々の中でも常に彼岸を求める心を持つ事が理想ですが、日常の生活に追われていると、大事なことと思いつつも、ついおろそかになりがちです。だからこそ、せめて年二回のお彼岸の間は仏様をはじめご先祖様、故人様に心を向けて供養し、報恩謝徳の真心をもって心穏やかに自身の生活と人生のあり方を考える事が出来ればとても有意義なものになるでしょう。

合掌

船橋市 真言宗 石動山 明王院

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