明王院の歴史

明王院の正式な名称は石動山 阿遮羅寺 明王密院といいます。

創建は長禄2年 1458年 室町時代であり
後花園天皇の御代に秀善和尚が不動明王を本尊として
お祀りし開山したと伝えられております。

『葛飾誌略』(江戸時代) によると当院の不動明王は「霊験殊勝なる本尊也」と記述があり、当時も人々から信仰を集めていた事が窺えます。

また江戸時代初期に幕府の命を受けて提出された寺院の本末関係を示す『寺院本末帳』には近隣5ヶ寺の門徒寺を有していたことが記録されております。

開山から560年以上経つ現在も高祖弘法大師、宗祖興教大師の御教えのもと、真言宗の伝統と法燈を守り、
地域古刹寺院として有縁の方に親しんでいただいております。

不動明王について

不動明王は、仏教の諸尊のなかでも 観音菩薩、地蔵菩薩とともに「お不動さま」の呼び名で古来より多くの人々の厚い信仰を集めている親しみ深い身近な仏さまです。

サンスクリット名は、アチャラ=ナータで、アチャラとは「動かないもの」、ナータは「守護者」の意味で、荒々しく恐ろしいお姿をしておりますが、その内面は大いなる慈悲に満ち溢れています。真言密教の根本本尊である大日如来の変化身で、本体は大日如来なのですが、その忿怒の恐ろしい姿をもって、あらゆる魔・煩悩・障害を退け打ち砕き、強剛難化である迷える衆生を仏道へ導き救済してくださります。
右手に持っている智慧の剣で怒り、貪り、愚かさを断ち切り、左手に持つ羂索という縄で悪い心を縛り上げ、智慧の光明を表す背後の火炎で災いや煩悩を焼き尽くしてくれるのです。
信ずる人の心の内に住み、常に身近で護ってくださり、そして私たちの願いを聞き届けてくださる心強く有り難い仏さまなのです。

お経典には、不動明王の姿を見る者は菩提心を起こし、不動明王の名を聞く人は煩悩を断ち切って善を修し、不動明王の説くところを聴く者は大きな智慧を得ることが出来き、不動明王の心を知る者は即身に成仏すると説かれています。

境内案内